今回は前回に引き続き、
財務スキルについて解説していきます。
「財務って難しそう」
「知らなくても税理士にお願いすればいい」
そんな考えの人は、経営には向いていません。
自身で起業し、経営し、投資していく・していきたい人は、ぜひ最後まで見てみてください。このスキルが将来の投資成績にも影響してきます。
■経営で必須のP/LとBSについて理解できる
■将来性のある投資先を選ぶことができる
目次
起業に財務の知識は必要?
前回のブログでも触れましたが、なぜ起業に財務スキルが必要なのか、復習しておきましょう。
税理士は売上が上がるまで頼むな
起業すると、これまで会社がやっていてくれた納税を自分で行わないといけないのです。
「そんなもの、税理士にでも頼めばいいじゃん」
そう思ったあなた。税理士にお願いするときのお金、どれだけかかるか知っていますか?
とあるサイトによれば
年商500万以下:7~8万円
年商500万以上:10万円~
これは確定申告の際に依頼するときの費用。
もちろん、場所や事務所によって変わりますが、だいたい10万円程度。
年間で税理士と契約すると1~5万円/月(年12~60万円)。
これが3年、5年、10年と続くと、数百万円となります。
これを自分でできるようになるだけで、これだけのお金が残ります。
特に、売上が安定しない、まだ少ないときは自分でできるようにする方がいいと思います。
税理士に依頼するのは、売上が安定して増えてきた時でいいでしょ
財務の理解は投資にも役立つ
税理士へ依頼するお金以外にも、財務スキルは投資に役立ちます。
例えば、株式投資をどこかの企業にしたいときには
どんな事業がよくて、将来性があるのかを見極めることもできます。
また、自分が事業をやっているときに成長投資でどこかに出資するとき、出資先の会社が本当に利益が出せているか見極める必要があります。
変な投資詐欺に引っかからないために、
口だけいいこと言っている経営者に騙されないよう
しっかり経営状態を把握するスキルは、経営者にとっても重要と言えます。
知っておくべき財務の基本知識
前回のブログでも記載しましたが、
節税効果を最大にするには、青色申告特別控除を受ける必要があります。
そのためには、損益計算書(P/L)と貸借対照表(BS)の提出が必要になります。前回のブログではさらっとしか説明ができなかったので、今回はもう少し詳しく解説していきます。
前回のブログはこちらから↓
損益計算書(P/L)
損益計算書(P/L)は、いわば、一定期間の経営の成績表です。
会社の利益を示すものになります。「いくら利益になったのか」がわかります。
これは、ユニクロの会社「ファーストリテイリング」のP/Lになります。

「意味わからない…」と反射的に拒否してしまう人も多いですが、拒否せず学ぶ人だけが経営でうまくいきます。
これを見てわかるとおり、利益にもいくつか種類があります。
これをまず覚える必要があります。
P/Lで理解すべき利益
1.売上総利益
2.営業利益
3.経常利益
4.税引前当期純利益
5.当期純利益
主にこの5つを覚えておきましょう
詳しく解説します。
売上総利益
売上純利益とは、本業の利益です。
売上純利益=(売上高)ー(売上原価)で表すことができます。
では問題です↓
原価50円のコーヒーを500円で販売。
10杯売れると、売上純利益はいくらでしょうか?
1杯のコーヒーの売上純利益は
500円ー50円=450円 となります。
これが10杯なので、答えは4,500円です。
営業利益
営業利益とは、本業での利益です。
先ほどの売上総利益とは異なります。
以下の式で営業利益を求めることができます。
営業利益=(売上総利益)ー (販売費および販管費)
この販売費や販管費とは、商品を販売するための間接的なコストのことです。具体的には、従業員の給料、宣伝広告費、店舗の家賃などです。
経常利益
経常利益とは、本業以外で毎月獲得した利益です。
カフェであれば、カフェ以外で得た収入になります。
例えば、利息、家賃収入、レッスン料などが該当します。
営業利益(本業)だけでなく、経常利益も利益がある程度あると、その会社は倒産しにくいのかなと考えることもできます。収入源が複数ある人の方が将来安心できますよね?
税引前当期純利益
さきほどの経常利益は毎月起こる収益でしたが、
税引前当期純利益は、単発的、突発的に発生する利益(もしくは経費)のことです。
例えば、店舗の売却で得た収益、キッチンが故障して修理費としての経費などです。
当期純利益
当期純利益は、これまでの4つを引いたもの
最後まで残った分のことです。
ここに税金(法人税)がかかります。
売上高に税金がかかるわけではないので、注意が必要です。
ここまでを少しまとめてみましょう↓

ここを理解できると、企業のPLが読み取れるようになります。上場企業であれば企業のホームページに掲載もされているので確認してみてください。
貸借対照表(BS)
貸借対照表(BS)とは?
貸借対照表(BS)とは
一時点の財政状態の指標です。
資産、負債、純資産の3つで示すことができます。
資産の中にも、銀行などから借り入れ(借金)をして得ている負債、株主からの出資などで返済が不要な純資産があります。
資産=負債+純資産 で示している表を貸借対照表(BS)と呼びます。
整理するとこんな感じです↓

資産の種類
資産にも2種類あります。
固定資産と流動資産です。
固定資産:建物、備品、車両(トラックなど)
流動資産:現金、在庫、売掛
この2つの資産も回収スピードが異なります。
固定資産は金額も高くなるので、長期的に回収していきます。
負債の種類
負債も同様に2種類あります。
固定負債:社債、長期借入(1年以上)
流動負債:買掛、短期借入(1年以内)
純資産の種類
純資産も2種類あります。
株主資本:資本金、利益余剰金
その他:評価換算差額、新株予約権
ここまでをもう一度整理するとこんな感じです↓

上場企業のPLとBSを見てみよう
ユニクロ、GUを展開しているファーストリテイリングを見てみましょう。
2024年8月期のPLはこのようになりました↓(単位:百万円)

経常利益は金融収益と記載されていました。
金融収益は利息、為替差益、その他の3種類でした。
ファーストリテイリングはメインの事業である営業利益の割合が多かったです。
BSは以下のようになりました↓

さすがユニクロ。資産でも負債の割合は少なく、純資産が多いので財政状況も良好ということでしょうか。
工場をもつような会社では固定資産が大きなっていたり
経常利益が多い会社があったりと調べると、企業の状況がわかって面白いので、ぜひ好きな会社、自分が愛用しているモノの会社を調べてみると勉強にもなります。
これは株式投資をするうえでも重要な知識になると思います。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
PLやBSはあまり楽しいと思える人は少ないかと思います。
しかし、財務スキルがなければ会社は倒産します。
「やりたいことのために、やりたくないこともやる」
竹花貴騎さんの言葉です。
皆さんが見えているキラキラしている部分の裏には、様々なことがあるということを実感しました。
■PLは会社の利益を示す成績表
■BSは資産、負債、純資産で構成される財政状況
■PLとBSの理解で良い投資先が選べる
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